まず、田中氏に年頭の挨拶を頂戴した。
「当行はここカリフォルニアに根を下ろして140年余の大変長い歴史を持っております。特に私どもは当地の日系社会に貢献するという使命を持った銀行であると自負しておりまして、2008年は貢献するための施策をさらに強化したいと考えております。新しい年も是非とも引き続きご愛顧頂きますようお願い申し上げます。」
さて、2007年の金融、経済をふり返ったときに新しい年にも影響を及ぼす大きな問題はいわゆる「サブプライムローン問題」であることは言うを俟たないだろう。この問題についての田中氏の見解を伺った。
「この問題は当初は、ノンバンクに限られた問題と見られていました。ところが証券市場を通じ、東海岸や欧州の金融センターにまで問題が飛び火し、世界経済不安定化の要因にまでなったことは、正直、驚いています。昨今の金融機関は、金融工学の手法を駆使してリスク分散を図っていたのですが。」
この問題解決のため、ブッシュ政権は、最大120万人の借り手を対象に、返済金利の5年間凍結を柱とする対策を発表した。この対策について、田中氏は「大事なステップ」と評価する一方、「問題の全体像が把握されマーケットが問題解決の確信を持つまでにはまだ時間がかかる」と慎重な見方をしている。
「今回の対策は日本がバブル崩壊後にやった対策にどこか似ているのです。初めは民間主導での解決が期待されますが、結局は、政府が相当程度腹を括り、公的資金を投入して問題の解決を図ることになるのではと思っています。」
この問題に端を発したアメリカ経済の不安定化は、2008年も続いてゆくという見方が大勢を占めている。専門家の7割から8割が2008年前半アメリカ経済はリセッションに入るだろうと考えており、後半には回復に向かうと考えている専門家は5割程度と言われている。田中氏も「2008年は長期にわたるアメリカ経済の繁栄のターニングポイントになるでしょう」と見ている。「いわゆるアメリカンドリームを象徴するのは住宅だったわけです。ところが今回は、そのアメリカンドリームの基盤が壊れてしまったわけですから、回復には、それなりの時間がかかるだろうと思います。」 |