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スポーツJ「時の人」は
アメリカで活躍する方々をご紹介するコーナーです。
文化的、社会的に貢献されている人々に
さまざまな角度から焦点をあてご紹介いたします。 |
| バックナンバー |
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| 2006年10月13日号掲載 |
| HIS サンフランシスコ支店 |
| 支店長 田村勉 氏 |
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今回はこの8月に旅行会社 H.I.S. Intemational Tours Inc. の
サンフランシスコ支店支店長として赴任された田村勉氏にお話をうかがった。
落ち着いた誠実な語り口の田村氏は、野球好き。メジャーの主要な球場の多くに実際に足を運び試合を観戦している。
田村氏がスポーツを通して見つめているものは何か探ってみた。 |
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| PROFILE |
TSUTOMU TAMURA |
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| 2003年 5月 |
H.I.S. International Tours (NY) Inc. 入社 |
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| 現在 |
H.I.S International Tours Inc. サンフランシスコ支店 支店長 |
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テニスに乗馬、スポーツは何でもやるのも見るのも大好きな田村氏は、野球はヤンキースのファン。特にデレク・ジーターが好きだという。そのヤンキースは9年連続の地区優勝を果たした。今シーズンのヤンキースは松井をはじめ怪我人が続出、トーリ監督も苦しいチーム運営を強いられたが、その中での9年連続地区優勝という快挙の裏にはチームを引っ張るジーターのリーダーシップがあったことに異論を差し挟む人はいないだろう。実際ジーターは松井をして「自分の考えるリーダーの条件すべてを兼ね備えている人物」と言わしめている。プレーヤーとして一流であることはもちろん、強力なカリスマ性を持ちながら気配り豊かな身近な存在だという。
田村氏もジーターの「リーダーとしての意識」に共感するところがあるという。8月にニューヨークからサンフランシスコ支店支店長として赴任してチームを引っ張ってゆく田村氏に目指すチームのイメージを語っていただいた。「メンバー全員が同じレベルでお客様にサービスができることが大事です。そのうえでスタッフみんなが協力し、私もみんなと力を合わせてHISの支店として恥ずかしくない支店をつくりあげてゆきたいですね。」田村氏のお話には「協力」や「信頼」といった言葉がよくでてくる。とびぬけたスタープレーヤーの活躍で結果的に成果をあげるのではなく、チーム全体の力を底上げしつつ結果を出してゆくということだろう。
田村氏のイメージするチームを作りあげてゆく上での田村氏のリーダーとしての役割は絶えずチーム全体の動き、社の方針双方に目を配りつつ、時にはチームの先頭に立ってスタッフを引っ張り、時には後方に回ってスタッフをフォローするという忙しいものとなるだろう。「そうですね。
私はスタッフのみんなが失敗を恐れずにのびのびと仕事ができるようにしてゆきたいんです。」 この「失敗を恐れるな」というのはよくジーターの語るところだ。そして田村氏は続けて言う。「私たちの仕事はお客様と直接対面してゆく仕事です。お客様に満足していただけるサービスをご提供するにはスタッフ自身がここで仕事をして満足していなければならないと思います。」
このあたりのリーダーとしてのスタンスがジーターのリーダーシップと通ずる面だろう。「ミスターヤンキース」ジーターは、またチームの方針には忠実で、チームメンバーの体調や怪我に最も配慮するという。
もちろんリーダーとしては厳しい面も持ち合わせていなければならない。田村氏の人生のモットーは「やろうと決めたことは絶対に諦めない」ということだそうだ。それはつまり必ず結果を出すということであり、田村氏はそのことを自分自身とスタッフとに求めているのである。「また、アメリカというのはそういうところでもあると思います。
やればやっただけ認められる。そしてダメならそれなりの覚悟を決めなければならない。 だからこそ自分の力を思い切り発揮できるのです。」 |
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リーダーとしての姿勢に続いて今後のサンフランシスコ支店の業務展開についてもお話を頂戴した。「私はニューヨークでは私を含め4人のチームで法人営業担当としてやってきました。こちらでも法人のお客様を伸ばすということが一つの課題になるかと思っています。申すまでもなく、法人のお客様はそうおいそれと獲得できるものではありません。それは法人のお客様ばかりでなく個人のお客様についても同じですが、特に私どもの仕事はモノを売るわけではなく、お客様に体験していただくサービスを提供しているわけですから、究極的には『一度弊社をお試しいただく』というのが何よりの営業になってしまいます。」
とはいうものの、「お試し下さい」「はい」というわけにはなかなかいかないだろう。「ですから、お客様に『試してみようかな』と思っていただけるような体制をつくっておかなければなりません。個人にせよ、法人にせよお客様にはそれぞれ旅についてのご要望、ご希望があるわけですが、私どもはお客様が仰ること、あるいは仰るであろうこと以上の選択肢、オプションをご用意してそれを受け止めなければなりません。そして私は私どもは『旅のカウンセラー』だと思っています。単にお客様からの問いかけに答えるだけではなく、積極的にお客様のご希望を掘り起こしそれに応えていかねばならないのです。」
例えばニューヨークに行くとして、どこの旅行会社のお世話になって行くとしても、現地で見る自由の女神は同じ自由の女神。その意味では互いに他社と差別化しにくいお仕事のように思われる。しかし、田村氏が「お試し下さい」
と言い、「旅のカウンセラー」と言うのはまさにその点に関してだろう。人が旅に出るのは単なる場所の移動を求めているわけではなく、心にのこる何かを求めてのことだ。つまり、旅は内的な体験なわけである。そしてこのことは個人の旅行ばかりでなく、ビジネストリップにもあてはまる。必ずしも自分の意思で行くわけではない忙しい旅ならば、むしろ返って心の満足が欲しいのが人情というものである。「そうなのです。私どもは目に見えないものをご提供しているのです。だからこそ『HISを利用してよかった』と仰っていただけることが重要なんです。それこそが私どもが商品にお付けできる何よりの付加価値なのです。」 |
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田村氏はもともと英語の勉強のためにアメリカにやってきた。はじめはそれほど長くいるつもりでなかったというが、アメリカの大学では「Hospitality
Management」が一つの学科として教えられていることに興味をもち、それを学んで業界に入った。そして旅行好きということもあって旅行業界へ。忙しくラスベガス、アトランタ、ニューヨーク、サンフランシスコとアメリカを股にかけているうちに数年が過ぎた。
その間にアメリカも世界も激動の時代であった。特に田村氏の仕事は世の中の動きに大きく影響される仕事だろう。「ご承知のように同時多発テロは大きな打撃でした。最近の原油高も少なからず影響します。幸い法人も含めてテロ以前の水準に戻ってきましたが、先日のロンドンの事件のようなこともあります。もしまた大規模なテロがあったらどうなってしまうだろうという危惧はあります。」
「個人的な体験としても、私は同時多発テロの10日前にニューヨークにいたんです。そしてそこを離れ、10月の初めまたニューヨークに行きました。するとーヶ月前にあったワールド・トレード・センターがない。これは底知れぬ怖さを感じた体験でした。それと同時にテロ事件から立ち直ろうとするニューヨークの市民一人一人のパワーというものに圧倒され、心をうたれました。」
テロ事件は私たちに現代人は世界に張り巡らされた社会、経済、政治のネットワークの中で生きており、そこから大きな利益を得ることがある一方で、思いもかけない被害を受けることもあるということを改めて思い起こさせた。田村氏は、旅行業界で仕事をしていることが自分にもった意味は「例えばロンドンの事件を、それがおかれている文脈またそれがマーケットなどに与える影響といった広い視点から見ることができるようになったこと」だと語る。
その田村氏はいずれ何らかの形で学校に戻りたいという。「MBAに挑戦したいんですよ。」田村氏、常に前進だ。ジーターも「目標を設定せよ。人生は日々挑戦である」と語っている。 |
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