教育というものはアンビバレンツなものだ。高橋氏に教育理念を問うと、「矛盾するようですが」と前置きして、「本質的には『自由に学ぶ』ということですね。つまり与えられたものを受動的に身に付けてゆくのではなく、周囲の世界に関心をもち枝葉を広げるようにそれぞれの世界観を形成してゆくということですね。しかし、一方先生としての立場からすると教育にはある種の『型にはめる』という側面があります」と語る。
Educationという英語の語源が、ラテン語のe-(外へ)+ducere(導く)というものであって、従って教育の原義とは「子供に内在する可能性を外に引き出すこと」だという説明がよくなされる。そうだとするとそこには子供の側からすれば自分の才能や可能性が開花してゆくという自由な活動の側面があるが、「引き出す」という点に着目すればそこには外的な作為、方向付け「型にはめる」という面もある。では、高橋氏の場合、その型とは何だろうか。
「それは日本の歴史や文化ということになりましょうか。例えば正しい言葉遣いとか。そのためには文学をきちんと教えてゆかねばならない。しかし、そうしたことは文部科学省のプログラムからはそぎ落とされています。誤解を恐れずに言うならば、文化を伝えてゆくということにはおしつけという面があります。」
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