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2008年1月11日号掲載
サッポロUSA
セールス・マーケティングマネージャー
北河 智幸 氏
mr.kitagawa

 

 

 

日本人はビール好きだ。飲み屋のテーブルにつけばまず第一声は「ビール」。人が集まる宴席にはビールは欠かせない。家庭でも1日の締めくくりはビール。ところが日本国内のビール市場(発泡酒、第3のビールを含む)は低迷していると言われている。背後には若い世代のビール離れなどがあるという。そのような逆風の中、ハイエンドなプレミアムビールに限って言えばむしろブームとも言える現象が起こっている。そのプレミアムビールの代名詞といえば「ヱビスビール」。サッポロUSAではそのヱビスのアメリカ市場への投入を決定した。今回はそのサッポロUSAのセールス・マーケティングマネージャーの北河智幸氏にお話を伺った。

PROFILE TOMOYUKI KITAGAWA
  富山県富山市出身
大学を卒業後サッポロビール株式会社に入社。新潟支社、京都支社、首都圏流通営業本部を経て2006年10月よりSAPPORO USA. Inc.に赴任。

No.1 Japanese Beer

premiumreserve 北河氏はサッポロUSAのアメリカ市場での位置づけについて、「サッポロUSAは1984年に設立され、翌年から22年間にわたりアメリカのビール市場におけるNo.1 Japaneseの地位を保ち続けております。2007年の出荷数量も前年と比べて9%伸びています。これはビール総需要の1%増はもちろん、輸入ビールの伸び7%をも上回っています」と述べる。アメリカのビールと言えば誰もが思い浮かべるバドワイザーやミラーなどのメガブランドの伸びが鈍化する中、輸入ビールは順調に業績を伸ばしている。その要因を北河氏に尋ねると、「アメリカ人の嗜好の変化と言えると思います。安くて手軽なビールもいいが、高くてもコダワリの利いたビールが飲みたいという層が増えてきました。クラフトビール(地ビール)のブームもその表れでしょう」と分析する。
  その好調な輸入ビールの中でも特にサッポロはNo.1 Japaneseの地位を保ち続けているというが、その秘訣は何だろうか。
「第1には日本食ブームにうまく乗ることができたということが挙げられます。日本食レストランに行けばサッポロが飲めるという流れを作ることができました。第2に、シルバー缶の成功です。当時アメリカにはあのような形の缶はなく、見た目にクールで、アメリカの方々の目には日本のビールメーカーの技術の高さを象徴するものに映ったようです。シルバー缶がサッポロのイメージとして定着し、小売での扱いが増えました。」

アメリカのマーケットに本物のこだわりを

 ヱビスのアメリカ発売はアメリカでのビールへの需要に対応したものだ。在米邦人の方から「アメリカでもヱビスが飲みたい」という声が盛んに寄せられていたが、サッポロにはすでにヱビスを知るアメリカ人からも「どこに行けばヱビスは手に入るのか」などという問い合わせがコンスタントに寄せられていたという。それほど人々を惹きつけるヱビスの魅力の秘密は何なのだろうか。
「まずは原料へのこだわりです。ヱビスは副原料を用いずに良質の麦芽100%で作られています。ビールの本場ドイツの『ビール純粋令』をご存知でしょうか。16世紀にバイエルンで『ビールは大麦、ホップ、水以外の原料を使用してはならない』と定めたもので、20世紀に入ってドイツ全土に適用されたものです。現在では非関税障壁として法律としての効力は失っていますが、本物のビール作りの指針となっています。ヱビスはこのビール純粋令にかなう日本のビールなのです。そしてホップはバイエルン産の厳選されたアロマホップを使用しています。それがヱビスの良質な苦味の秘密です。そして製法。ヱビスは通常の1・5倍の時間をかけた長期熟成によって深い味とコクを引き出しています。元来アメリカのメジャーブランドのビールは『早く作って、すぐに売ってお金にかえる』といったタイプのビールです。ヱビスは本物を求めるようになってきたアメリカの方にも愛されると確信しています。」
サッポロUSAのこれからの戦略はどのようなものだろうか。
mr.kitagawa「弊社に限らず大手ビールメーカーは現地化を進めています。弊社も北米を海外での最重要地域と位置づけ、カナダNO・3のビールメーカー、スリーマン社を買収して自社工場化し日本から技術者を導入しました。現在サッポロはアメリカでの輸入ブランドで第22位ですが、2010年までに300万ケース(1ケースは12オンス24本換算)の売上を達成し、ベスト10に入るのが目標です。ヱビスについては先ほど述べた長期熟成が専用タンクを要するためカナダでは対応できず、日本からの輸入ということになりますが、まずは日本人の方、そして日本を知るアメリカ人の方に飲んでいただき、そこを起爆剤にアメリカでの売上を拡大してゆきたいですね。私どもはいいものは必ずお客様に支持されるという信念を持っています。本物を作り、まっとうな商売をすれば必ず受け入れられると信じています。日本のヱビスは2007年に売上1300万ケースを達成しました。しかも単一のブランドで15年も連続でシェアを伸ばしているのはヱビスだけです。この事実が私どもの志の正しさを証明していると自負しています。」
 
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ヱビスの起源

 東京恵比寿。この恵比寿という地名がヱビスビールからつけられたことはよく知られている。1887年(明治20年)日本麦酒醸造会社が設立され、この地に工場が建設された。そしてその3年後の1890年、記念すべき「恵比寿ビール」第1号が発売。1901年、恵比寿ビール専用出荷駅「恵比寿停車所」が開設。後にその周辺の地名も恵比寿となる。1906年には日本麦酒、札幌麦酒、大阪麦酒3社が合併し、大日本麦酒株式会社が誕生する。ちなみにこの年、夏目漱石の「坊ちゃん」が発表されている。漱石といえば「我輩は猫である」の猫はビールを飲んで酔っ払うし、そのものズバリ「二百十日」にはビールを注文された仲居が、ビールはないが恵比寿ならあると答える場面がある。当時の人にとっては「ビール」という言葉はまだピンとこないが、「恵比寿」なら分ったということか。

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ビール豆知識

 ちょっとお得なビールの知識を北河氏に訊いた。
ビールを美味しく飲むコツお教えて下さい。
「夏は4〜6度、冬は7〜9度が飲み頃の温度です。ヱビスは是非グラスに注いでお楽しみ下さい。ヱビスは泡持ちがいいのが特徴。じっくり泡を楽しんで下さい。」
ビールは太るというのは本当ですか。
「医学的には根拠はありません。ビールは脂っこい食べ物とも相性がいいですし、ホップには食欲増進の効果もあります。ビール腹というのもビールそのもので太るというよりも、ついつい食べ過ぎるところからきていると考えられます。」
ビールの効用は。
「先ほど言ったように胃の働きを活発にするほかに利尿作用もあります。また、ビールは液体のパンとも言われています。なにより、ビールは心の潤滑油。友人家族と程よく楽しむビールは精神の緊張をほぐし、心の疲れをとります。

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